絵の具の「黒」をすすめない理由

『黒』 何も言わずにいると、子供達は大胆に使おうとします。

髪の色は黒、夜のお空は真っ黒、という具合に。

 

でも、少し待って。本当にあなたの髪の色はチューブから出したそんな黒い色?お友達の髪はどうかな?

私はいつも問いかけます。

 

黒って使い方に注意が必要な絵の具なんです。

理由は

①自然界に真っ黒はほぼ存在しない。

②黒を混色すると濁らせてしまう

③どんな色より強いので浮いてしまう

 

個人的見解になるかもしれませんが、黒を混色してしまうと暗く、濁ってしまい、生き生きとした絵にならなくなります。

 

では暗い色を使いたい時はどうすればいいのでしょう?

 

救世主、藍色(あいいろ)です。または青(あお)も代わりになります。

 

髪の色は茶色に藍色や青を混ぜる事で焦げ茶色になります。

 

でも時には濃い色に黒を混ぜて作る場合もあります。

 

岩の色や道路、グレーだから黒と白を混ぜる。道路は人工的なものなので確かに黒を使っても良いかもしれませんが、グレーにだって

いろんなグレーがあります。

 

黒と白、それに少し藍色や青を混ぜれば綺麗な青みがかったグレーが作れます。

茶色を混ぜれば温かみのあるウォームグレーのような色になります。

 

何がなんでも黒を使っていけないわけではありません。

黒はなんといっても他の色を引き立たせる色でもあります。

デザイン的に考えて使えばとても効果的だと思います。

 

ただ、小学生の子供さんが描く動物の絵や楽しかった場面の絵には注意して使ってほしいのです。

 

そうは言っても楽しそうに好きな黒を思い切り使う子供さんを、私は無理に止める事はしません。

絵やモノづくりは本人が、自分を解放出来るのが一番だと思いますから。